低圧進相コンデンサの火災に注意
東大阪市内で「低圧進相コンデンサ」の火災が発生しています。
低圧進相コンデンサは、3相200Vの電気回線(通称「動力」)を使用する工作機械、業務用冷蔵庫などの力率改善を目的に工場や商店などで使用され、モノづくりのまち東大阪には欠かすことのできない装置です。しかし、低圧進相コンデンサは、経年劣化が進むと内部で短絡などを起こし発火するおそれがあります。特に、昭和50年以前に製造されたものは、事故を防止する保安装置が内蔵されていないため注意が必要です。

破裂・溶融した低圧進相コンデンサ
低圧進相コンデンサ火災の特徴
- 気温が高くなる夏場に多く発生する。
- 電気機器の使用中よりも終業後など、電気機器を使用せずに回路に充電されたままの状態で多く発生する。
- 内部に絶縁油が入っているため激しく火炎を噴出する場合がある。
発火した低圧進相コンデンサ

分電盤に並ぶ焼損したコンデンサ

プラスチックの容器が焼失し内部の金属容器も破損

内部の素子が炭化

素子にも大きな損傷
火災に至る経過
- 経年劣化により絶縁不良を起こす。
- 内部の温度が上昇し絶縁油が気化、容器が破損する。
- 内部で発生した電気火花が噴出した絶縁油(気体)に着火する。
火災予防のポイント
- コンデンサに変形や液漏れ、異臭がするなどの異常を感じればすぐに使用をやめてブレーカーを切る。
- 昭和50年以前に製造されたものは交換する。
- 昭和50年以降に製造されたものでも定期的に点検し交換する。(業界団体では10年目安の交換を推奨)
- 工作機械などを使用しないときはブレーカーを切り、コンデンサに通電したまま放置しない。