ヒートアイランド現象

ヒートアイランド現象とは
ヒートアイランド(heat island=熱の島)現象とは、都市の気温が周囲よりも高くなる現象のことです。
気温の高い地域が都市を中心に島のような形状に分布することから、このように呼ばれるようになりました。ヒートアイランド現象は「都市がなかったと仮定した場合に観測されるであろう気温に比べ、都市の気温が高い状態」と言うこともできます。
そのため、関東地方の場合は、東京都市圏を中心に高温域が広がっています。
都市化の進展に伴って、ヒートアイランド現象は顕著になりつつあり、熱中症等の健康への被害や、感染症を媒介する蚊の越冬といった生態系の変化が懸念されています。

ヒートアイランド現象の要因

土地利用の変化の影響(植生域の縮小と人工被覆域の拡大)
草地、森林、水田、水面等の植生域は、アスファルトやコンクリート等による人工被覆域と比べて保水力が高いことから、水分の蒸発による熱の消費が多く、地表面から大気へ与えられる熱が少なくなるため、主に日中の気温の上昇が抑えられます。
人工被覆域は、植生域と比べて熱容量が大きく、また、入射した日射量の吸収率が大きいことから、日射による熱の蓄積が多く、地表面から大気へ与えられる熱が多くなるため、気温の上昇が大きくなります。さらに、人工被覆域の地表面は、暖まりにくく冷えにくい性質があることから、日中に蓄積した熱を夜間になっても保持し、大気へ放出することになるため、夜間の気温の低下を妨げることになります。
都市で建築物の高層化及び高密度化が進むと、天空率が低下し地表面からの放射冷却が弱まること、また、風通しが悪くなり地表面に熱がこもりやすくなることにより、さらに気温の低下を妨げることになります。

人工排熱(人間活動で生じる熱)の影響
都市部の局所的な高温の要因と考えられます。
都市の多様な産業活動や社会活動に伴って熱が排出され、特に都心部で人口が集中する地域では、昼間の排熱量は局所的に 100W/m 2 (中緯度での真夏の太陽南中時における全天日射量の約 10%) を超えると見積もられています。


東大阪市内のクールスポット
クールスポットとは、夏の暑さを忘れられるような、身近で涼しく(クール)過ごせる空間・場所(スポット)のことです。例えば、水辺、森林、公園などがこれにあたります。ヒートアイランド現象による都市部の不快な暑さを軽減し、屋外空間で快適に過ごしましょう。
大阪府に選定された東大阪市内のクールスポット(大阪府のウェブサイト)
東大阪市内クールスポット紹介動画(YouTube)
