平成24年9月3日 生駒山にひと足早い秋の気配 ゆらゆら揺れるヒトモトススキ
市が天然記念物に指定しているヒトモトススキが、生駒山麓にある日下新池(日下町1)のほとりで茶褐色の穂をつけ、平地よりひと足早い秋の風情を漂わせています。
イネ科に属するススキとは異なり、ヒトモトススキはカヤツリグサ科の植物。一株の根元からたくさんの茎を伸ばし、無数の実をつける穂先がススキに似ていることからこの名が付けられました。また、葉の縁が鋭くイノシシも切るという例えから別名をシシキリガヤといいます。
本来ヒトモトススキは海岸に近い湿地に生育するもので、こうした山中に群生するのは珍しく、約3,000年前、大阪湾が生駒山麓まで迫っていたことを裏付ける貴重な残存植物として、昭和49年3月に市の天然記念物に指定されました。
9月中旬から下旬にかけて穂先の小さな実がはじけると、生駒山に本格的な秋が訪れます。