乳幼児のための食中毒予防
乳幼児は病原菌に対する抵抗力が弱いため、食中毒になると大人よりも症状が重くなりやすいのが特徴です。乳幼児の食事は、大人の食事よりずっと注意が必要です。正しい知識を身に付け、お子さんを食中毒から守ってください。
腸管出血性大腸菌O157・O111って何?
腸管出血性大腸菌O157(オー イチゴーナナ)とは、食中毒を引き起こす菌のひとつです。
他にもO111、O26、O1などO157と同様の症状を引き起こす腸管出血性大腸菌が知られています。
O157等は少量の菌(100個以下)で発症します。菌のついた食品などを口にした場合に発症します。潜伏期間は通常3~9日です。
O157等は感染力が強く、ベロ毒素といわれる強い毒素を作り激しい腹痛、下痢、血便などを起こします。特に乳幼児がO157等に感染した場合、重症になりやすく、尿毒症や脳症になり死に至る場合もあります。
しかし菌は熱に弱く、加熱(75℃、1分以上)すると死んでしまいます。
今日からできるO157予防方法
こんなときには石鹸で手を洗いましょう!(消毒薬も利用するとより効果的です。)
- 帰宅した時
- 調理、授乳の前
- 生肉、生魚にさわった時
- 食事の前
- トイレの後
- ペットなどに触れた時
肉、魚などはビニール袋やフタ付き容器に入れ、必ず冷蔵しましょう!
おてふき、よだれかけなどは、清潔なものを使うようにしましょう!
ハンバーグなどは中まで充分火が通っているか、割って内部の色を見るなどして確認しましょう!
生肉、生魚を切った後の包丁、まな板はよく洗って熱湯をかけて消毒しましょう!
乳幼児に生もの(生肉、生魚)を食べさせるのは、絶対にやめましょう。
焼肉やしゃぶしゃぶなどをする時には生肉をつかむ箸と食べるときの箸を使い分けましょう!
乳幼児・児童・高齢者のためのサルモネラ菌食中毒予防 サルモネラ菌って何?
サルモネラ菌って何?
近年、サルモネラ菌による食中毒が増えています。サルモネラ菌は、動物の腸などにいる菌です。この菌に汚染され、菌が増えた肉や卵を食べると、通常12~36時間の潜伏期間の後、激しい腹痛、下痢、発熱(38~40℃)を起こします。乳幼児や高齢者あるいは免疫力が低下している方が感染した場合には重篤になることがあります。菌は熱に弱く、加熱すると死んでしまいます。
サルモネラによる食中毒の原因となる食品
生卵
鳥刺し
卵を使った丼
生焼けハンバーグ
※その他、鳥タタキ、オムレツなども原因になることがあります。
今日からできるサルモネラ菌食中毒の予防法
- 卵を割るときには、鮮度を確認して、卵の殻が入らないように気をつけましょう。
- 卵の殻にヒビが入っているものは、生で食べないようにしましょう。また、まれにヒビの無い卵であっても、卵の中にサルモネラ菌が存在しているものもあります。抵抗力の弱い乳幼児・児童や高齢者の方が感染すると、重症化することがありますので、このような方はできるだけ生で食べないようにしましょう。
- 卵や肉は表示を確認して、できるだけ新鮮なものを購入しましょう。
- 調理の前には石鹸で手を洗いましょう。
- 調理の途中で卵や肉を触ったら、手をよく洗いましょう。
- 肉料理(ハンバーグ)や卵料理(卵焼き、ケーキ)は中まで充分に火を通し、半生、半熟はやめましょう。
加熱の目安(75℃ 1分以上)
買い物でのポイント
1日で使い切る量を計画的に購入しましょう!
- 肉や卵などの生鮮食品は計画的に購入し、買い貯めしないようにしましょう。
食品の表示や品質は確認しましょう!
- 消費期限、賞味期限を確認して、できるだけ新鮮なものを購入しましょう。
- 包装等が破れていないか確認して、衛生的な食品を購入しましょう。
- 買い物が済んだら寄り道せずに家に帰りましょう!
- 肉は、汁が漏れ出ないように分けて包んで持ち帰りましょう。
- 要冷蔵のものや冷凍品はすばやく家に持ち帰って、冷蔵庫や冷凍庫で保管しましょう。
冷蔵庫を過信するのは危険です
あなたは、「冷蔵庫(冷凍庫)に入れておけば大丈夫」、そう考えたことはありませんか!冷蔵(冷凍)は菌が増えるスピードを抑えるだけで、菌がなくなるわけではありません。
- 詰めすぎは、冷蔵庫の能力が十分発揮されません。容量の70%以内が目安です。
- 生鮮食品と調理済み食品は分けて入れましょう。
- 温かいものは冷ましてから入れましょう。
- 扉の開け閉めはできるだけ短時間で行うようにしましょう。
- 庫内は定期的に掃除しましょう。