動物からうつる病気(動物由来感染症)について
動物由来感染症とは、動物やペットから人にうつる病気の事です。代表的なものとしては狂犬病が挙げられますが、ほかにもオウム病、トキソプラズマ症、サルモネラ症など、多くの種類があります。動物に症状がなくても病原体を持っていて、感染源となる場合もあります。
ペットと仲良く健康に暮らすために、次のことを守りましょう。
- 口移しで食べ物を与えるなどの濃厚な接触はしない。
- 動物やペットに触れる前後や、フンが手についたりしたときは、必ず手洗い消毒をする。(動物から人へ感染する以外にも、人から動物へ感染させる場合もあります。)
- ペットの飼育場所は清潔にし、フンや尿の始末はこまめに行う。
- 清掃するときは、フンや尿が周囲に飛び散らないように注意するとともに、換気を十分に行い、ホコリを吸い込まないようにする。また、清掃後は手洗いを十分に行う。
- 猫は、できるだけ室内で飼育する。
- 寄生虫感染や食中毒起因菌の感染を防止するため、生肉のままで与えないようにし、充分に加熱する。また、生野菜を与えるときは充分に洗浄する。
- 室内で飼育するときは換気を心掛ける。
- 野生動物の家庭での飼育や野外での接触はさける。
- フンや尿による生活環境の汚染を防ぐため、野生動物にむやみにエサを与えない。
- ペットの健康状態に注意し、異常がある場合は速やかに動物病院へ受診させる。
- 異常が無くても、定期検診を受け、病気の早期発見に努める。
- 飼い主が健康不良で医療機関に受診する場合は、ペットの飼育状況についても医師に説明する。
- 犬の飼い主は、飼い犬登録と毎年狂犬病予防注射を受けさせる。
- 散歩時のフンの後始末は必ず飼い主がおこなう。また、飼い主が拾えない場所でフンをさせない。
- おしっこも周囲に迷惑をかけない場所を選んでさせ、水で流しておく。
- 飼育場所で排泄を済ませてから散歩に行くようにしつけをする。
ダニ対策として、草むらや藪などへの不必要な侵入をさせない、帰宅時にはマダニが付いていないか確認する、ダニ取り首輪を着用させる、飼育場所の清掃を行うなどのほか、飼い主がやむを得ず草むらなどへ入る場合には長袖・長ズボン・厚手の靴下などで肌の露出を避けるなどの対策を行う。
東大阪市環境薬務課ホームページ(マダニ類が媒介する感染症に注意しましょう)
厚生労働省ホームページ(感染症情報)(別サイトへ移動します)
環境省ホームページ(自然環境・生物多様性)(別サイトへ移動します)
農林水産省ホームページ(消費・安全)(別サイトへ移動します)
狂犬病
エキノコックス症
主に北海道で発生が見られます。キツネや犬の糞に混じったエキノッコックス(寄生虫)の虫卵を摂取して感染します。感染後、数年から数十年の潜伏期間を経て、肝臓などに重篤な障害を引き起こします。野山に出かけた後はよく手を洗い、山菜や野菜、くだものなどはよく洗ってから食べることが大切です。
レプトスピラ症
レプトスピラ保菌動物の尿、尿に汚染された水、土などから皮膚の傷や口を介して感染します。主な症状は高熱と結膜の充血に始まり、次に黄疸、皮膚などの出血、血尿、腎臓機能障害、貧血などが見られます。近年は、国内での発生件数は少なくなっていますが、衛生状態の悪い熱帯地域で感染して帰国後に発症する事例が報告されています。
犬・猫回虫幼虫移行症
犬、猫の糞中に含まれる虫卵を摂取すること、またはイヌ回虫やネコ回虫に感染した家畜のレバーや肉を生で食べたり、加熱不十分で食べたりすることで感染します。免疫力の弱い人が感染すると、幼虫が内臓や目に移行して、発熱や視力低下などをおこすことがあります。砂場で遊んだあとは十分な手洗を行うことが予防となります。
トキソプラズマ症
世界中で広く分布している寄生虫で、ネコ科動物の糞便中に排出されたオーシスト(感染型)を摂取することで感染します。感染した猫がオーシストを排出するのは初感染後数日からおよそ2週間の間で、排出されたオーシストが成熟して感染する能力を持つには、少なくとも24時間必要とされているため、糞便の処理を毎日(24時間以内で)行うことで、感染力のあるオーシストとの接触を避けることができます(このときトイレ容器は熱湯で消毒することをお勧めします)。したがって、妊娠を理由に飼い猫を処分する必要はありませんが、猫の糞便の処理はできれば妊婦以外の人が行うようにし、動物と触れ合ったあとは石鹸での手洗を忘れないようにしてください。また肉類を生で食べたり、不十分な加熱でも感染することがあることから、肉類を生で食べることは避けて、十分な加熱を行ってください。
サルモネラ症
哺乳類、鳥類、は虫類などが腸管内に健康保菌することが知られており、動物との接触を通じて感染して発症することがあります。発熱、下痢、嘔吐、血便などの症状を示します。は虫類などの動物を触ったときには十分な手洗いを行うこと、犬や猫に生肉を与えないことが感染予防となります。
カンピロバクター症
家禽、家畜、ペット、野生動物などが腸管内に保菌するカンピロバクター菌が原因で、発熱、下痢、嘔吐、血便等の症状を示します。犬や猫に生肉を与えないこと、特に鶏肉はカンピロバクターに汚染されていることが多いので与えないことが予防となります。
オウム病
オウム病クラミジアを病原体とし、鳥類の糞に含まれる菌を吸い込んだり、口移しでエサを与えることによっても感染します。症状は風邪や肺炎によく似た呼吸器症状となります。早期に診断し、有効な抗生物質(テトラサイクリン系等)を投与すれば回復しますが、重症になると呼吸困難・意識障害などを起こし、診断が遅れるとまれに死亡する例も報告されています。
ジアルジア症
ランブル鞭毛虫が病原体であり、感染力がある嚢子に汚染された食品や水などを摂取することで感染します。主な症状は下痢となりますが、胆管や胆嚢に寄生して黄疸や肝臓腫大を引き起こすこともあります。なお、海外の衛生状態の悪い地域では感染リスクが高いので、安全な食品や飲料水を確保することが大切です。
クリプトスポリジウム症
糞線虫症
ウエストナイル熱
ウエストナイルウイルスが病原体であり、鳥と蚊の間で感染環が維持され、蚊に刺されることにより人が感染して発熱や脳炎を起こします。アフリカ・ヨーロッパ・中東など広い地域に分布していましたが、平成11年夏にニューヨークで発生が見られてからアメリカ全土にも流行が広まっています。日本国内での発生はありませんが、平成17年にアメリカから帰国した人が国内で発症した輸入事例があります。感染した蚊が航空機により運ばれて日本に侵入する可能性があり、当市を含め大阪府下の保健所設置自治体が定期的な蚊のウイルス保有状況調査を行っています。
東大阪市環境薬務課ホームページ(ウエストナイル熱媒介蚊のサーベイランス(調査監視)の結果)