認知症とは

認知症は身近な脳の病気です
認知症とは、何らかの原因で脳の働きが悪くなり、記憶力や判断力が低下するなど、日常で生活する上でさまざまな支障がおおよそ6か月以上出ている状態を言います。老化による物忘れとは違い、物忘れの自覚がないこと、体験のすべてを忘れてしまうこと等が特徴的です。
認知症には種類があり、原因となる病気によって分類されています。半数以上はアルツハイマー型認知症で、記憶障害が著しく、特に最近の記憶(短期記憶)が不得意になります。うつ状態がみられることもあります。そのほかにも、脳の血管障害が原因で発症する脳血管性認知症、幻視を認めることがあるレビー小体認知症などがあります。

どんな症状が現れるの?
認知症には多くの人に共通して現れる中核症状と、中核症状に周囲の人間関係や環境などの影響が加わり、混乱が強まることで起こる行動・心理症状があります。
中核症状(治すことが難しい)
・何度も同じ話をしたり、同じものを買ったりする
・日時や季節の感覚が分かりにくくなる
・お金などの計算ができない
・手順良く物事をすすめられない
・慣れた道でも迷うことがある
行動・心理症状(支援することで症状を緩和できる)
・怒りっぽくなる
・お金や物が盗まれたと騒ぐ
・無気力になり、外出しなくなる
・趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなる
上記の症状に当てはまる項目があれば、認知症の可能性があります。
認知症のサインに気づいたら、早めに相談窓口に相談しましょう。

軽度認知障害(MCI)とは
軽度認知障害(MCI)とは認知症の前段階で、軽い記憶障害などがあっても基本的に日常生活は大きな支障はなく送れる状態のことです。
MCIと診断されると、1年で約5%から15%の人が認知症に移行する一方で、16%から41%の人は健康な状態に戻ることがわかっています。そのため、早期から適切な対策を行っていくことが重要です。運動や食事、社会参加など生活習慣を改善することで、健康な状態への回復や認知症への移行を遅らせることが期待できます。

認知症の高齢者の人数は?
国の研究によりますと、2022年時点での65歳以上の認知症患者数は443万人であり、これは高齢者の約8人に1人の割合です。65歳以上の人口がピークを迎える2040年には認知症患者数は584万人、高齢者の約7人に1人になると推計されています。
また、軽度認知障害(MCI)を有する高齢者数については、2022年時点で559万人、2040年には613万人と推計されています。