公的年金からの特別徴収
特別徴収とは
平成21年10月より、住民税の年金からの引き落とし(特別徴収)がはじまっています。
(地方税法第321条の7の2、市税条例第32条の2)
特別徴収とは、年金保険者が住民税を年金から引き落として市へ直接納入することです。
従来では、年金を受給されており住民税を納税する義務のある方は、年4回、市役所や金融機関等に出向き、住民税を納めていただいています。
特別徴収制度の導入により、年金を支給する年金保険者が住民税を年金から引き落とし、市へ直接納入することとなるため、納税の手間が省かれます。
なお、住民税の年金からの引き落とし(特別徴収)の導入は、納税方法を変更するものであり、新たな税負担が生じるものではありません。
引き落としの対象になるのは
対象となるのは「4月1日現在65歳以上の年金受給者で、前年中の年金所得に係る住民税の納税義務のある方」です。
ただし、以下の方については、対象となりません。
- 介護保険料が年金から引き落としされていない方
- 引き落としされる住民税額が老齢基礎年金等の額を超える方 など
引き落としの対象となる年金は
老齢基礎年金又は昭和60年以前の制度による老齢年金、退職年金等を言います。
障害年金及び遺族年金などの非課税の年金からは、住民税の引き落としはされません。
引き落としされる住民税額は
引き落としされるのは、年金所得の金額から計算した住民税額のみです。
給与所得や事業所得などの金額から計算した住民税額は、これまでどおり給与からの引き落とし、または納付書で納めていただくことになります。
個人住民税における公的年金からの特別徴収制度の見直し(平成28年10月1日より)
(1)仮特別徴収税額の算定方法の見直し(仮徴収税額の平準化)
【改正前】
- 年金支払金額や所得控除の適用状況の変化に伴い、年税額が前年度の額よりも大きく変動した場合(医療費控除の増等)には、本徴収税額(10月・12月・翌年2月)と仮徴収税額(4月・6月・8月)に差が生じることとなる。
- 一度、本徴収税額と仮徴収税額に差が出た場合、翌年度の仮徴収税額は前年度の本徴収税額とされていることから、翌年度以降も不均衡を平準化することができず、本徴収税額と仮徴収税額の差が生じ続ける。
【改正後】
- 年間の徴収税額の平準化を図るため、仮特別徴収税額(仮徴収税額)を「前年度の公的年金等に係る年税額の2分の1に相当する額の3分の1ずつの額とする」こととされました。
年度 | 年税額 | 【改正前】 | 【改正後】 | ||
---|---|---|---|---|---|
仮徴収税額 (4・6・8月) | 本徴収税額 (10・12・2月) | 仮徴収税額 (4・6・8月) | 本徴収税額 (10・12・2月) | ||
N | 60,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
N+1 | 36,000円(医療費控除の増等) | 10,000円 | 2,000円 | 10,000円 | 2,000円 |
N+2 | 60,000円 | 2,000円 | 18,000円 | 6,000円 | 14,000円 |
N+3 | 60,000円 | 18,000円 | 2,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
上記の図のように、改正前の制度では一度生じた不均衡が平準化しない。
改正後では、年税額が2年連続で同額の場合、平準化される。
(2)転出・税額変更があった場合の特別徴収継続の見直し
【改正前】
・賦課期日(1月1日)後に市町村の区域外に転出した場合や、特別徴収する税額が変更された場合、公的年金からの特別徴収は停止(中止)され、普通徴収(納税通知書で納めていただく方法)に切り替わることとされています。
【改正後】
・年金所得者の納税の便宜や市町村における徴収事務の効率化の観点から、「転出や税額変更があった場合においても一定の要件の下、特別徴収を継続する」こととされました。
・市町村長が年金保険者(日本年金機構や共済組合等)に対して、公的年金から特別徴収する税額を通知(例年7月初旬)した後に特別徴収税額を変更する場合、12月分と2月分の本徴収に限り、変更後の特別徴収税額によって継続することとなります。