ヒトモトススキ
9月になると市が天然記念物に指定している「ヒトモトススキ」が、生駒山ろくにある日下新池のほとりで茶褐色の穂をつけ、平地よりひと足早い秋の風情を漂わせます。
ヒトモトススキはイネ科に属するススキとは異なり、カヤツリグサ科の植物で、一株の根元からたくさんの茎を伸ばし、無数の実をつける穂先がススキに似ていることからこの名が付けられました。
本来ヒトモトススキは海岸に近い湿地に生育するもので山中に群生するのは珍しく、約3,000年前、大阪湾が生駒山ろくまで迫っていたことを裏付ける貴重な残存植物として、昭和49年3月に同市の天然記念物に指定されています。
9月中から下旬にかけて、穂先の小さな実がはじけると、生駒山に本格的な秋が訪れます。