平成23年7月22日 太古の花・原始ハス咲く


大阪府の天然記念物に指定されている「枚岡の原始ハス」が善根寺の稲田清治さんの自宅の人工池で咲いており、淡いピンク色の花が神秘的な雰囲気を漂わせています。
原始ハスは、「古事記」のなかで歌人・引田部赤猪子が「日下江の入江のハチス花ハチス 身の盛り人羨しきろかも」と詠んだハスと言われ、約1600年前の5世紀ごろから咲き誇っていたとされています。
大正時代までは、善根寺町付近の用水路や湿地帯に多く自生していましたが、戦後大発生したアメリカザリガニに食い荒らされ、一時絶滅寸前になりましたが、稲田さんが昭和37年に自宅の池に移植し育成を続け、昭和45年2月20日に大阪府の天然記念物の指定を受けました(正式名称は「枚岡の原始ハス」)。
原始ハスの葉の直径は大きいもので30cm程度、花の直径は最大で15cmほどで一般のハスより全体的に小さめです。花の命は短く、わずか3日間。早朝、日の出とともに咲き始め、1日目は三分ほど咲き、2日目は八~九分咲き、3日目に満開となり、午後になると咲いたままの状態で花びらが一枚ずつ散ってゆきます。
稲田さんは、「県外からこのハスを見に来る方もいます。今年は昨年より遅く7月8日から咲き始めました。花の数は例年並で8月上旬ごろまで楽しめるでしょう」と話していました。
(現在、一般公開はされておりません)