市政だより 令和元年8月1日号 6・7面(テキスト版)
安全安心なまちづくり
市域の治水対策を探る
古くから度重なる浸水被害に悩まされてきた東大阪市。その大部分が河川より低い低平地であることから浸水被害が発生しました。今回は、東大阪市周辺の地形の成り立ちから、浸水対策の必要性、その取組内容を詳しく解説します。
昔は海だった!?
河内平野
寝屋川流域に広がる河内平野は、今から約6000年前までは河内湾でした。淀川と旧大和川から運ばれた土砂により、徐々に埋め立てられ、河内潟、河内湖と姿を変え、江戸時代初頭には河内平野と呼ばれる低湿地帯となりました。
現在は、厳しい地形条件と都市化の進展による田畑の減少に伴い、雨水の流出量が増え、浸水リスクが高まりました。国・府・関係市からなる寝屋川流域協議会では、河川・下水道・流域が一体となった“総合治水対策”を進めています。
市域における治水対策
流す施設として、増補管(府・市)や地下河川(府)の整備に取り組んでいます。また、貯める施設として遊水地や調節池(市内6か所)があり、布施公園調節池を現在整備中です。
浸水被害を軽減できる地域が広がりました
今年8月、市内で新たに中央北増補幹線(府施工)が完成し、川俣地域の浸水被害の軽減が図られます。寝屋川南部地下河川に関連する下水道増補幹線は、平成2年度から順次供用しており、浸水被害の軽減区域は今回の供用により広がった市内約1200ヘクタールを含めると、寝屋川南部流域全体で約7800ヘクタールまで拡大します。
また、7月末から新岸田堂幹線(市施工)が部分供用され、治水効果を発揮し、岸田堂地区の浸水被害の軽減が図られます。
浸水対策の協力を
市や関係機関では、浸水被害からまちを守るため、さまざまな対策に取り組んでいますが、皆さんに次のことを協力していただくことで、さらなる浸水被害の軽減につなげることができます。また、日頃から気象情報に注意し、万一の災害に備えましょう。
- 道路側溝や雨水ますをいつもきれいにする
- 大雨のときにお風呂や洗濯の排水など、大量の水を流すのは控える
- 問合せ先
- 下水道計画総務室 06(4309)3247、ファクス06(4309)3827
新規採用職員による
浸水対策施設めぐりレポート
中央北増補幹線
下水道維持管理課
山岡 正和
今回は治水対策への理解を深めるため、荒本西3丁目主要地方道大阪中央環状線のすぐ側にある中央北増補幹線を見学しました。中央北増補幹線は大阪府による施工で、中央環状線の地下に内径約5メートル40センチメートルの大きな管が約2キロメートルにわたり布設されています。中央北増補幹線が供用されると、東大阪市中部の広い範囲で浸水被害軽減効果が期待できる重要な治水施設です。
感想
中央北増補幹線は阪神高速東大阪線やJR学研都市線の橋脚基礎に近接しており、ほかにも水道管やガス管など、複数の地下埋設物が整備されています。それらに留意しながら、直接目には見えない地下空間をシールド工事で掘削する技術に感動しました。シールド工事とは、簡単にいうとシールドマシンという機械でトンネルを掘る工事のことですが、そのシールドマシンで掘削する際に、地盤の沈下やゆるみなどによって既存の構造物に影響を与えないよう施工する技術にも驚きました。
また、見学するまでは、雨水を貯留するために整備されたと思っていましたが、地下河川に放流するために整備された施設であることがわかりました。
今回は増補管というハード対策施設の見学をしましたが、治水対策はソフト対策もあります。雨水の流出を抑制するためには森林や緑地の保全が大切であり、これらの保全啓発も対策の1つです。
また、市民の皆さんの防災意識向上のため広報活動にも積極的に取り組んでいます。市域の治水安全度向上のため、治水対策への協力をお願いします。
増補管って
どんな役割があるの??
増補管とは、既存下水道管の排水能力を超える雨水を排水させるために新たに整備した下水道管のことをいいます。
高度経済成長期以降、急速な都市化の進展により、田畑が減り、建物や道路などが増加しました。これによって土地がもつ保水能力が低下し、雨水流出量が増加した結果、既設の下水道管の排水能力が不足し浸水被害が頻発するようになりました。そこで、既設の下水道管の排水能力を補うべく増補管が整備されています。
9月10日は下水道の日
「下水道の日」は、昭和36年に「全国下水道促進デー」として始まりました。9月10日と定められたのは、下水道の大きな役割の1つである「雨水の排除」を念頭に、これから迎える台風シーズンに注意を喚起するうえでも適当であるとされたことによるものです。その後平成13年に、より親しみのある名称として「下水道の日」に変更されました。
現在市の下水道普及率は99パーセントを超え、早期に100パーセントを達成できるよう努力しています。また、既設下水管の流下能力を新たな下水管で補う雨水増補幹線の整備や、増加する老朽施設の再構築にも積極的に取り組んでいます。
21世紀を「人権の世紀」に
戦争の放棄と平和の願い
「平和」とは、人間が人間らしく生きるための基本です。毎日の生活が安全で、安心して暮らせることが私たちの願いです。しかし、世界では依然として多くの地域で紛争やテロなどが続いています。
今一度、私たち一人ひとりに何ができるか考えてみませんか。
東大阪市 平和都市宣言
平和は、人間として生きるための基本であり、全世界共通の願いです。
私たちの生活も、本市のまちづくりの理念である「人間尊重に根ざした市民都市の創造」の実現も真の恒久平和なくしては望めません。
このため、私たちは平和の重要性とこれを脅かす核兵器の廃絶を全世界に訴えるとともに、本市が非核「平和都市」であることをここに宣言します。
1985年11月1日
平和の灯・平和の女神像
“平和の灯”は、1993年(平成5年)に平和なまちづくりのシンボルとして広島、長崎の灯火からの分火を受け、“平和の女神像”とともに旧市民会館前に設置し、核兵器の廃絶と世界の恒久平和を訴えてきました。平成27年9月に市役所本庁舎前の春宮公園内に移設されました。
平和のつどいを開催
平和公演会
「コメディ・クラウン・サーカス」ピエロ流平和な社会へ笑顔のアプローチをテーマに4人のクラウンが、会場を盛り上げ、平和の大切さを届けます。
- とき
- 8月20日(火曜日)11時~12時30分
- ところ
- 府立中央図書館ライティホール
- 定員
- 384人(申込先着順)
- ※手話通訳・一時保育あり(8月13日(火曜日)<必着>までに要申込み)。
- 申込方法・申込み先など
- 基本事項と保育が必要な方は子どもの氏名・年齢を往復ハガキで(ハガキ、電話、ファクス、Eメール、直接も可)
原爆死没者・戦没者へ
平和祈念の黙とうを
広島と長崎では、原爆投下の日に原爆死没者の冥福と世界の恒久平和を願って、被爆74年目の慰霊と平和祈念の式典が行われます。
また、8月15日の「戦没者を追悼し平和を祈念する日」には、日本武道館で全国戦没者追悼式が開かれます。亡くなった方の冥福と、再びこのような惨事が起こらないことを祈って、次の日時に1分間の黙とうを捧げましょう。
- とき
- 8月6日(火曜日)8時15分、9日(金曜日)11時2分、15日(木曜日)12時
募集します
人権啓発詩・読書感想文
「人権の尊さやお互いの人権を守ること」「差別のない明るい社会を築くことの大切さ」「平和の尊さを訴えること」などをテーマにした詩と読書感想文を募集します。
- 対象
- 市内在住・在学(いずれか)の小・中学生
- 規格
-
- 詩=形式、長さとも自由
- 読書感想文=小学生は400字詰め原稿用紙3枚以内、中学生は同5枚以内
- ※いずれも1人1編で、未発表の創作作品に限る。
- 申込方法・申込み先など
- 作品に氏名、学校名、学年、作品名(読書感想文は図書、著者、発行所名も)を書いて9月2日(月曜日)(必着)までに郵送
- ※作品は返却しません。審査のうえ入選者にのみ連絡し、表彰します。
- 申込方法・申込み先など 問合せ先
- 〒577-8521市役所人権啓発課 06(4309)3156、ファクス06(4309)3823、Eメールアドレス jinkenkeihatsu@city.higashiosaka.lg.jp
- 問合せ先
- 府人権企画課 06(6210)9281、ファクス06(6210)9286
平成30年度
消費生活相談件数まとまる
高齢者の契約に関する相談が増加
平成30年度に消費生活センターで受けた消費生活相談の件数がまとまりました。相談件数は3507件で前年度より58件増加し、依然として多くの相談が寄せられています。
前年度寄せられた相談の特徴は、次のとおりです。
販売購入形態別の特徴
販売購入形態別相談件数を見ると、店舗購入が1061件と最も多く、次いで通信販売、訪問販売の順になっています。
販売購入形態別相談件数
- 店舗購入 1061件(948件)
- 通信販売 1025件(1050件)
- 訪問販売 449件(418件)
- 電話勧誘販売 164件(152件)
- 訪問購入 41件(44件)
- マルチ・マルチまがい取引 28件(34件)
- その他無店舗販売 11件(20件)
- ネガティブ・オプション 8件( 12件)
- 不明・無関係 720件(771件)
- 合計 3507件(3449件)
訪問販売による相談では、新聞契約に関するものが圧倒的に多く、「契約期間中に解約を申し出ると高額な景品代を請求された」「亡くなった父が交わした契約の解約を申し入れたが応じてくれない」などのトラブルが報告されています。強引な勧誘や景品に惑わされず、長期契約は慎重にしましょう。
商品・役務別相談の特徴
相談の多い上位5品目を見ると、商品一般によるものが最も多く、年齢が高くなるほどその割合が高くなる傾向にあります。
相談の多い上位5品目
- 1位 商品一般 284件(320件)
- 2位 賃貸アパート 177件(152件)
- 3位 デジタルコンテンツ 114件(182件)
- 4位 新聞 99件(121件)
- 4位 電気 99件(40件)
※( )は、平成29年度の件数。
具体的には「身に覚えのない商品代金を請求された」「宅配業者から不審な不在連絡のSMSが来たが、偽メールだった」という相談が多く寄せられました。
高齢者の契約に関する相談が増加
消費生活センターが受けた相談のうち、70歳以上の方の契約に関する相談が928件で全体の約26.5パーセントを占めています。
契約当事者の年齢別構成
- 20歳未満 2%
- 20歳代 8%
- 30歳代 9%
- 40歳代 15%
- 50歳代 14%
- 60歳代 14%
- 70歳代以上 26%
- 不明 12%
また、5年前と比べると140件増加し、約1.2倍になっています。70歳以上で最も多いのは商品一般(架空請求など)に関する相談です。次に多いのが、新聞や電気に関する相談で、高齢者にわかりづらい説明で契約させ、解約を申し出ると契約を盾に断るといったパターンが多くなっています。
消費者トラブルはまず相談を
このような被害に遭わないよう、1人で悩まないで周りの人や消費生活センターに早めに相談しましょう。また、高齢者が被害に遭わないためには、家族や周囲の人の見守りや日頃からの声かけが大切です。変わったことがないか、尋ねてあげましょう。
- 問合せ先
- 消費生活センター 072(965)6002、ファクス072(962)9385