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あしあと

    歯科医師からのメッセージ(2歳)

    • [公開日:2018年2月23日]
    • [更新日:2021年10月22日]
    • ID:21906

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    1歳から3歳のお子さんをもつあなたへ

    2歳のころ

     2歳の頃に、お聴きすることが多い相談のうちの幾つかについて、考えてみることにします。

    歯並びが気になります

     保護者の方がこの表現をされるお子さんの歯を診察してみると、歯が立て込んでいて、歯の列がスムーズな弓形になっていないことが多いようです。歯の列から内・外側にはみ出しているような歯が何本かある、という状態です。
     歯が立て込んだ状態も、程度の「軽い~重い」の幅が広いようですが、その時点でのアゴの大きさと、その人固有の歯の大きさの兼ね合いの結果から起こることなのです。
     しかし、幼児は大人と違って、乳歯の時期にも身体が発育するので、歯の数も増えますが、アゴも大きくなるので、立て込みの度合いが軽度・中等度くらいの人は、成長が味方してくれて、スムーズな弓形に変化していく場合が多いようです。
     アゴが大きくなって場所にゆとりが出来てくると、歯の並びの外側からは唇・頬の裏側が、内側からは舌がそれぞれ触っているので、微弱であっても力が常に働いて、歯の列は弓形に近づいていくと考えられます。
     ただ、立て込みの度合いが強い人は、成長だけでは賄いきれない場合もあります。乳歯は、その人の大人の歯を予兆的に見せてくれているので、そういう人は大人の体格になっても、やはり歯の並びはきれいな弓形にならない場合もあります。
     それだけで身体が不健康であるとは言えないのですが、本人や保護者の方の気になる度合いが強ければ、矯正歯科の先生に相談されることが選択肢となります。

     逆に、2歳の頃でも、歯のすき間が気になる、という保護者の方もいます。大人の歯と違って、すき間が見えることに違和感があるのかもしれません。しかし、6歳ころの前歯の交代(乳歯→大人の歯)に先立って、乳前歯にすき間があれば、あとの大人の歯が並びやすくなるという点で、その人は有利であると言えます。そして、生え代わりの後半の時期に大人の犬歯が出てくるのですが、その犬歯の分のスペースが十分にあれば、並びは整いやすくなるのです。

    受け口だと思います

     保護者の方がこう言われるお子さんの歯科診察をして、上下の歯の接触関係を診てみると、3通りくらいに分かれるようです。
    (a)カチッと噛んでもらうと、本当は上の前歯が下の前歯に被さるような位置関係が確認できるにもかかわらず、「受け口」と思われている場合があります。下の前歯を外側に出して時間を過ごしているとしても、それは本人の癖や、半ば遊びのようなものだと考えられ、基本的には問題ありません。そういう癖や遊びで「受け口」が誘われるという文献も(絶対とは言えませんが)ないようです。ただ、癖や遊びとしてちょっと困る、ということであれば、やんわりと言葉で働きかけて、本人が了解して、それをやめていくように協力してあげてください。
    (b)同様に噛んでもらうと、上下の前歯の先端同士が当たる場合があります。この場合も「受け口」とは言いません。今後、当然起こるアゴの骨の発育の影響を受けて上下の歯の位置関係が少しずつ変化し、上の前歯が下のそれに被さるようになっていくことが多いようです。
    (c)噛んでもらっても、常に下の前歯が上の前歯よりも外側に来るような上下の位置関係になっている場合もあります。この場合は「受け口」ということになります。こういうお子さんは、その後の経過が何通りかに枝分かれしていくことになります。
     幼児は常に成長・変化しているので、アゴの発育によって、乳歯の時期にも上下の位置関係が変化して、それにより上の歯が被さるようになる可能性もあります。また、乳歯の時期には変わりきらなくても、大人の歯に生え代わってみると、上の歯が被さるようになっている場合もあります。

     しかし、乳歯の時期だけでなく、大人の歯に生え代わっても、やはり下の前歯の方が上の前歯の外側に来ている場合もあります。この時は、本人や保護者の方の気になる度合いが強ければ、矯正歯科の先生に相談に行ってください。(ただし、受け口であっても、運動能力や頭脳能力の高い人は、世の中にはザラにいますので、それが健康・不健康の問題と言えるかどうか解釈の分かれるところです。)
     また、そんな頃まで成長まかせでは頼りなく思われるのであれば、乳歯の時期でも、矯正歯科を受診されることが選択肢になります。ただし、傾向として、3歳未満の子どもを対象に矯正処置を手掛けられる先生は多くはないようです。

    歯みがき剤は、いつから使うのですか?

     歯みがき作業は、基本的には「歯の掃除」ですから、歯ブラシの毛先の細かな往復運動が中心です。自然にお口を潤している唾液みがきでも、決しておかしくありません。そこに、薬効成分が加われば、さらに効果が上がるという考えで、各メーカーさんは工夫をこらしているとのことです。それも、否定されものではありませんし、何歳からという年齢的な決まりもありません。
     しかし、少なくとも歯みがき作業のあと、お子さん本人がペーッと吐き出せないのであれば、使わない方が良いでしょう。歯みがき剤のベースは合成洗剤に近い物質であり、それが歯みがき作業の度に、唾液に混ざって飲み込んでしまのであれば、歯ではなく全身への影響が心配されます。使うのであれば、日ごろのお子さんの様子をご覧になっていて、意図的に吐き出すことができるかどうかを確認されてからでも、遅くはないでしょう。

    歯の生え方が遅いと思います

     ご近所に年齢の近い幼児がいると、つい比べて「うちの子は遅いのではないか」と思われる場合があるようです。
     乳歯は全部で20本ですが、2歳前半の頃には、上下左右の一番後ろの第2乳臼歯がまだ顔を出していないのが普通で、この時期、本数としては16本ということになります。しかし、これにも個人差があります。
     お母さんのお腹の中、胎児本人のアゴの中で、歯を作るための素(歯胚・しはい)が形成されることから始まって、出生後も引き続きアゴの中で、歯は少しずつ作られていきます。この準備中の各段階は、月数や年齢によらず、どの子どもも大体同じテンポで進んで行きます。そして、歯の根が先端まで完成する少し前の時期に「生え出す力」が生じるのですが、この力に個人差があり、結果として生えるのが早かったり、遅かったりする場合があるようです。
     その時点で、歯の本数が他の子どもより少なく見えたとしても、それは受け入れて頂いて、生えるのを待ってあげるのみ、ということになります。たとえレントゲンで、形成中の歯の姿を確認したとしても、その歯を意図的に早く生えさせることは出来ないからです。

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