市政だより 平成26年11月15日号 別紙4面(テキスト版)
実は…ココまでわかる!特定健診
早めに健診を受けましょう
「特定健診でなんて、たいしたことわからないんでしょ」って思っていませんか? 自覚症状のない生活習慣病の早期発見・予防に役立つのが「特定健診」です。検査項目から何がわかるか確認していきましょう。
特定健診の結果が表すことや健康リスクについて
基準値
基準値を超えていると病気へのリスクが高まります。今すぐ生活習慣の改善が必要です。
高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病になってしまうと、血管は破れやすく、つまりやすくなります。生活習慣の改善と適切な治療で健康な生活を維持することができますが、ここで改善できないと、脳血管疾患(脳梗塞・脳出血・要介護状態〈寝たきりなど〉)、虚血性心疾患(狭心症 ・心筋梗塞)、人工透析の必要(例えば週3回・1日4時間の通院や、厳しい食事制限・水制限が必要になる)などの重篤な症状に発展してしまいます。
BMI(体格指数)・腹囲
ただの「体形」と思っていませんか?
内臓脂肪の蓄積は生活習慣病のはじまりです
食べすぎや運動不足が続くと、余ったエネルギーが内臓脂肪として蓄積されていきます。
脂肪がたまった体に血液を送るため血圧が高くなったり、内臓にたっぷりついた脂肪が悪いホルモンを出して血糖値や悪玉コレステロールを高めたりと、さらなる悪循環へとつながっていきます。
少しずつ食べすぎを抑え、運動する時間を増やしていきましょう。
- 基準値
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- BMI=18.5~24.9
- 腹囲=男性 85センチメートル未満、女性 90センチメートル未満
- 状態が進行すると
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- メタボから高血圧症・高脂血症・糖尿病に
- メタボから脂肪肝、さらには肝硬変に
- 高血圧症・糖尿病から慢性腎臓病に
- 症状が重篤化すると
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- 高血圧症・高脂血症・糖尿病から脳血管疾患・虚血性心疾患に
- 慢性腎臓病から人工透析に
血圧
脳卒中の最大の危険因子
慢性的に正常域より血圧が高い状態を高血圧といい、血管を傷つける大きな原因のひとつです。血圧は加齢とともに上昇する傾向があり、肥満や塩分過多により一層上がりやすくなります。
身近な病気であるにもかかわらず、危険な状態であるという意識をもちにくいため、重大な病気に進行するリスクが高まります。
- 基準値
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- 収縮期血圧=130ミリメートルエイチジー未満
- 拡張期血圧=85ミリメートルエイチジー未満
- 状態が進行すると
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- 高血圧症に
- 高血圧症から慢性腎臓病に
- 症状が重篤化すると
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- 高血圧症から脳血管疾患・虚血性心疾患に
- 慢性腎臓病から人工透析に
肝機能
静かに進む脂肪肝から肝硬変
食べすぎや飲みすぎで余った脂肪は肝臓にもたまって脂肪肝となり、気がつかないうちに肝障害が進行します。
- 基準値
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- AST(GOT)=30ユニットパーリットル以下
- ALT(GPT)=30ユニットパーリットル以下
- γ-GT(γ-GTP)=50ユニットパーリットル以下
- 状態が進行すると
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- 脂肪肝、さらには肝硬変に
脂質代謝
脳梗塞や心筋梗塞の原因となる
血液中の脂質バランスがくずれてドロドロになった血液が血管にへばりついて動脈硬化を促進し、心筋梗塞などの原因となります。
- 基準値
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- 中性脂肪=150ミリグラムパーデシリットル未満
- HDLコレステロール=40ミリグラムパーデシリットル以上
- LDLコレステロール=120ミリグラムパーデシリットル未満
- 状態が進行すると
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- 高脂血症に
- 症状が重篤化すると
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- 脳血管疾患・虚血性心疾患に
糖質代謝・尿糖
合併症を発症するやっかいな糖尿病
すい臓から分泌されるインスリンの働きが悪くなり、血糖値の高い状態が慢性化すると糖尿病になります。初期には自覚症状がありません。のどが渇く、頻尿、疲れやすいなど症状が出るころには病気はかなり進行しています。
血液中に糖があふれてくると、体のいたるところで血管や神経が傷つき、合併症を発症します。
- 糖尿病性網膜症(成人の中途失明の原因第2位)
- 糖尿病性腎症
- 糖尿病性神経障害(壊死による脚の切断の原因第1位)
間食や夜食を頻繁にとっているとインスリンを使い続けることになってしまいます。時間を決めずにダラダラ食べたり、たくさん食べるのはやめましょう。
- 基準値
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- 血糖=空腹時100ミリグラムパーデシリットル未満
- ヘモグロビンA1c=5.6パーセント未満
- 尿糖=陰性
- 状態が進行すると
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- 糖尿病に
- 糖尿病から慢性腎臓病に
- 症状が重篤化すると
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- 糖尿病から脳血管疾患・虚血性心疾患に
- 慢性腎臓病から人工透析に
尿蛋白および腎機能
一定のレベルまで悪くなると、元に戻りにくくなります
クレアチニン値から腎臓のろ過機能を推測します。クレアチニン値の数値の増加は小さくても腎機能が低下している可能性が大きいです。ろ過機能が著しく低下した状態が慢性腎臓病(CKD)です。
CKD予防や早期発見には健診を受けることが大切です。定期的に健診を受診し、手遅れになる前に生活習慣を改善しましょう。また、クレアチニン値が男性1.4ミリグラムパーデシリットル、女性1.1ミリグラムパーデシリットル以上あり尿蛋白が2+以上ある場合は危険です。速やかに主治医や腎臓内科の専門医などにご相談ください。
- 基準値
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- 尿蛋白=陰性
- 血清クレアチニン=男性1.2ミリグラムパーデシリットル未満、女性0.9ミリグラムパーデシリットル未満
- 血清尿酸=7.0ミリグラムパーデシリットル未満
- 状態が進行すると
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- 慢性腎臓病に
- 症状が重篤化すると
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- 人工透析に
特定保健指導(無料)
特定健診の結果、生活習慣改善の必要性が高い方には「特定保健指導利用券」が届きます。医師、保健師、管理栄養士などから生活習慣を見直すためのサポートを無料で受けられます。
※生活習慣病のリスクが高い方は「動機づけ支援」、さらにリスクが高い方は「積極的支援」のサポートが受けられます。
利用者の声
Mさん(66歳・男性)
退職して5年間健診を受けていませんでした。妻といっしょに受診すると、血圧が高くてびっくりしました。
「歩いたら血圧が下がりますよ」と聞いて、毎朝のウォーキングを始めました。飲み物もジュースからお茶に変え、毎日、朝晩体重測定をしています。
- 受けたサポート
- 動機づけ支援
- サポートの成果
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- 体重 5キログラム減
- 腹囲 12センチメートル減
- 血圧 164/90ミリメートルエイチジーが120/72ミリメートルエイチジーに
Aさん(59歳・女性)
お腹が出てきたのを実感し、初めて健診を受けてみると、血液検査の数値が高くてびっくり!大好きなビールをやめました。
体も重かったので、特定保健指導を申し込みました。体重を落とすためにウォーキングを始めるきっかけになりました。
- 受けたサポート
- 積極的支援
- サポートの成果
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- 体重 8キログラム減
- 腹囲 7センチメートル減
- 血糖値 162ミリグラムパーデシリットルが103ミリグラムパーデシリットルに
- HbA1c 6パーセントが5.7パーセントに
Bさん(64歳・男性)
体育会系だから体形には自信があったのに、20年以上ぶりに健診を受けてみると、メタボと言われショックでした。
毎日晩酌のときに食べていたピーナッツをやめ、お昼のお弁当箱も小さいサイズに変えました。昼夜満腹まで食べていたのを腹八分目にしています。
- 受けたサポート
- 動機づけ支援
- サポートの成果
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- 体重 3キログラム減
- 腹囲 3センチメートル減
- 血圧 166/90ミリメートルエイチジーが120/72ミリメートルエイチジーに