市政だより 平成18年9月1日号 6・7面(テキスト版)
命を守る あなたと地域と市の備え
9月1日は防災の日 「災害」そのとき…地域の力がカギを握る
今年7月には、梅雨前線による記録的豪雨が、各地で多大な被害をもたらしました。9月は台風が到来する季節です。また、生駒断層の直下にある本市は、大規模地震の発生も想定されています。
地震や風水害などの災害が、いつ私たちの身に振りかかるかわかりません。
市では、市民の命と財産を守るために、さまざまな防災対策に努めていますが、なによりも大切なのは、家庭と地域が一体となって災害に備えておくことです。
9月1日は防災の日です。災害時に人と人とが助け合うことができるよう、この機会に一人ひとりが災害に対する備えを充実させ、防災対策に努めましょう。
まず自分の身を守る
災害時には、まず自分の身を自分で守ることが大前提です。いざというときの準備をしておきましょう。
阪神・淡路大震災の死者の約8割が住宅の倒壊、家具の転倒で亡くなったといわれています。家具の安全対策をしていますか。
- 本棚やタンスなどの家具が転倒しないように、L字型金具などで固定する
- 食器棚などのガラスには飛散防止フィルムを張る
- 就寝時に棚や上に置いたものが落ちてこないように、家具の配置を工夫する
2か所以上の避難所を決めていますか
本市では、市内80か所の小・中学校を避難場所に指定しています。
- 災害時は近くの小・中学校に避難する
- 避難場所まで実際に歩いて、避難しやすい経路を確かめておく
- 避難場所が被災したり、道が通れなくなったりした場合のために、2か所以上の避難所を確認しておく
※近くの避難場所は、防災マップか、洪水ハザードマップで確認してください。
家族が落ち合う避難所や、安否連絡の取次ぎをしてくれる遠方の親戚または知人を決めておくなど、家庭で話し合っておきましょう。
非常持ち出し袋を備えていますか
救援されるまで3日間の食料と水があれば大丈夫といわれています。避難所生活に必要なものをすぐに持ち出せるよう、ひとつにまとめておき、できれば2か所に準備しておきましょう。
防災週間中の取組み
8月30日(水曜日)から9月4日(月曜日)までの防災週間中は、市役所1階ロビーで、阪神・淡路大震災の当時の状況や、火災予防についてのパネル展示をしています。
また9月9日(土曜日)の午前10時から正午まで府立中央図書館で、防災講演会や災害時備蓄米炊き出しなどを行います。
まちを守る地域の活動
校区連合自治会ごとに自主防災会の結成を進めており、地域の組織力(防災力)を強化しています。現在、45校区中42校区で結成され、おもに次の活動を行っています。
平常時
- 防災に対する啓発、災害発生を未然に防止するための地域活動
- 消火・避難などの訓練
- 機材や備蓄品の管理
災害時
- 被害・救援情報などの伝達、周知
- 初期消火活動、避難誘導、救出救護活動、給食給水活動
縄手・上四条、菱屋西、八戸ノ里、弥刀、長堂、森河内、花園北、玉美、永和、岩田西、玉串、鴻池東、縄手南、英田南、長瀬南、北宮、意岐部、加納、弥栄、英田北、石切、枚岡東、上小阪、孔舎衙、池島、小阪、成和、荒川、高井田西、若江、長瀬西、縄手北、長瀬東、玉川、長瀬北、花園、太平寺、八戸ノ里東、石切東、高井田東、弥刀東、三ノ瀬(結成年度順)
防災マップと洪水ハザードマップを活用してください
それぞれのマップをしっかりと熱読し、家庭の持ち出しやすい場所に備え置きしてください。
防災マップ
避難場所一覧のほか、非常持ち出し品リスト、地震対策の心得などを掲載(市政だより平成17年5月15日号と同時配付)
洪水ハザードマップ
浸水しやすい場所、台風や洪水から 身を守るポイントなどを掲載(市政だより平成18年4月1日号と同時配付)
問合せ先
危機管理室 06(4309)3130、ファクス06(4309)3820
あなたの建物は安全ですか
安全で安心な住みよいまちづくり
8月30日から9月5日までは「全国建築物防災週間」です。
過去の地震や火災では、建物の被害により、多くの尊い命が失われました。阪神・淡路大震災では、木造建築の被害が大きく、倒壊や火災を防ぐ防災設備を進めることが重要です。
市では防災週間中、病院やスーパーマーケットなどの建築物の防災査察を行います。
ぜひ、この機会に建物の安全性について考えてみませんか。
建築防災相談コーナー
防災週間中、建築物の防火や避難、耐震などについて建築防災相談コーナーを開設します(土曜日・日曜日を除く)。
ところ指導監察課
建築防災講演会
とき
9月5日(火曜日) 午後1時30分から4時まで
ところ
建設交流会館八階(地下鉄本町駅南西に徒歩五分)
内容
講演「近づく大地震に備えた住宅所有者の責任」
講師
キンキ総合設計代表取締役 西邦弘さん
財団法人大阪建築防災センター 06(6943)7253
一級建築士による無料相談
自宅の建替え、耐震、アスベスト、リフォーム、シックハウス、欠陥住宅など、あらゆる相談に専門家が答えます(予約不要)。
とき
毎月第3火曜日 午後1時から4時まで
ところ
市役所一階相談室
指導監察課
耐震改修住宅 固定資産税を減額
昭和57年1月1日以前から所在する住宅を現行の耐震基準に適合させるための工事をすると、所有者からの申請により固定資産税を減額します。
耐震改修の要件
- 現行の耐震基準に適合する耐震改修であること
- 耐震改修の費用が30万円以上であること
減額する額
当該住宅にかかる固定資産税額の2分の1(1戸あたり120平方メートル相当分までに限る)
減額期間
- 平成18年から21年までに耐震改修が完了した場合 改修工事完了の翌年度から3年間
- 平成22年から24年までの場合 同2年間
- 平成25年から27年までの場合 同1年間
建築士・登録住宅性能評価機関などが発行する、現行の耐震基準に適合した工事であることの証明書や耐震改修にかかる工事費がわかる書類などを添付し、改修後3か月以内に申請してください。
耐震診断補助制度
自宅の耐震改修をするには、事前に耐震診断が必要です。耐震診断を受ける方に、技術者の紹介や費用を一部補助します。
対象
昭和56年5月31日以前に建てられ、現在居住している自己所有の住宅
補助限度額
1戸25,000円
問合せ先
- 課税減額=固定資産税課 06(4309)3140から4、ファクス06(4309)3811
- 耐震改修・診断補助=指導監察課 06(4309)3245、ファクス06(4309)3834
土砂災害から身を守るために
昨年は、全国四十都道府県で814件の土砂災害が発生しました。被害状況のうち人的被害については死者・行方不明者が30人、負傷者が11人という残念な結果になっています。
中でも9月上旬に九州を襲った台風14号は、大きな被害をもたらしました。この台風による災害は、死者・行方不明者のうち土砂災害の割合が非常に高く、また被災者の約7割が高齢者です。
雨に注意
土砂災害は降雨にともなって発生することが多く、梅雨から台風の季節にかけて土砂災害が発生しやすくなります。降雨量が1時間に20ミリ以上、または降り始めから100ミリ以上になれば、注意する必要があります
危険の前ぶれ
土砂災害には危険を知らせる前ぶれがあります。
土砂災害の前ぶれ
がけ崩れの前ぶれ
- がけに亀裂が入る
- 小石が落下する
- がけからの水が濁る
土石流の前ぶれ
- 地鳴りや土臭いにおいがする
- 雨が降っているのに川の水位が下がる
- 川の水が濁り、流木が発生
地すべりの前ぶれ
- 地面にひび割れが入る
- 樹木が傾く
- 斜面から水が噴き出す
- 斜面を支える擁壁や家に亀裂が入る
必ずしも見られるものではありませんが、もし、このような現象を見たり聞いたりしたら、早めに避難してください。
地域で守る
近所に一人暮らしの老人や体の不自由な人などいる場合は、スムーズに救援できるように、救助や避難方法についてあらかじめ近隣の住民同士で話し合うことが必要です。
また、日ごろから気象予報などさまざまな情報に気を配りましょう。
問合せ先
河川課 06(4309)3263、ファクス06(4309)3828
9月1日から土砂災害警戒情報を発表
大雨警報が発表されたのち土砂災害の恐れが高い地域は、報道機関を通じて、市町村名が発表されます。
「大雨警報」が出たらテレビやラジオの気象情報、市からの防災情報に注意してください。
問合せ先
- 大阪管区気象台予報課 06(6949)6303
- 大阪府ダム砂防課 06(6941)0351
都市型水害からまちを守る 進む市内の治水事業
アスファルトの地面が増えたことで雨水が地中に染み込まず、都心部でも浸水被害が出る「都市型水害」が増えています。
しかし今年7月、長雨や局地的な豪雨に見舞われた市内では、治水整備により被害はほとんどありませんでした。
国や大阪府、寝屋川流域の他の自治体とともに進めてきた総合治水対策により、床上浸水が市内で年間600件を超える年もあった昭和50年代に比べると、浸水被害は見違えるほど軽減されています。
市では、99%を達成した下水道普及率の100%をめざすとともに、治水整備を進めています。
雨水増補管
増補管は、通常の下水管では流しきれない大雨の際、集まった雨水を巨大な下水管で流すものです。浸水被害の多かった第2寝屋川以西で順次設置を進めており、完成している増補管は、一時的に貯留施設として活用しています。
現在行っている設置工事は、岸田堂西2の岸田堂北公園から俊徳町5までと、途中分岐させた寺前町2までの「新岸田堂・新寿幹線」。総延長約1,400メートル、内径1.8メートルから3.75メートルの増補管を、地下約20メートルに築造するもので、来年度中に完成予定です。
貯留浸透施設
校庭や公園などに設置する貯留浸透施設。その土地に降った雨水を貯留したり、地面に染み込ませたりすることで、下水管に流れ込む雨水を減らします。市内の小・中学校や公園など18か所で整備を行い、今後さらに設置場所を増やしていきます。
流域調節池
水路や下水道が流しきれない雨水を、一時的に貯めておく雨水貯留施設。布施駅前(貯留量12,000立方メートル)などに設置しているほか、八戸の里公園(同36,700立方メートル)などで新設の工事を行っています。かつて浸水被害が多かった地域も、これによりかなり被害が減少しました。
一層の浸水被害対策が必要な地域として、寝屋川流域はこのほど、特定都市河川浸水被害対策法により「特定都市河川流域」の指定を受けました。今後、1,000平方メートルを超える新たな土地の舗装や宅地化などには、許可が必要となるなど、流域に住む市民とともにさらなる治水対策を進めていきます。
9月10日の「下水道の日」には、全国で台風への注意呼びかけが行われます。私たちの予想を超える大雨が、台風などによりいつ降るとも限りません。
洪水ハザードマップに掲載している避難場所、洪水時の避難方法などをよく読んでおいてください。
問合せ先
- 雨水増補管、雨水貯留浸透施設など 下水道部計画課 06(4309)3247、ファクス06(4309)3827
- 流域調節池、遊水地など 河川課 06(4309)3263、ファクス06(4309)3828