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あしあと

    歯科医師からのメッセージ(1歳9か月)

    • [公開日:2018年2月23日]
    • [更新日:2021年10月22日]
    • ID:21903

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    1歳から3歳のお子さんをもつあなたへ

    1歳9か月のころ

     1歳後半の子どもの保護者の方からは、むし歯予防について、フッ素について、指しゃぶりについて、などの質問が多いようです。これについて考えてみましょう。

    むし歯予防について

     子どもの間食は、ホッとすることを求める大人のそれと違って、健康維持や成長に必要な栄養を補うための第4、第5の食事とでも言うべきものです。間食の意味を勘違いして、お楽しみのために食べたり飲んだりするモノばかりが多くなることは避けたいところです。この種のモノは製造段階で砂糖が加えられている場合が多いのですが、それを材料にむし歯菌と総称される菌類が歯を溶かす酸や不溶性の粘着物質を作りやすくなり、歯の表面が危なくなることが知られています。
     また、同じモノを間食として与えるとしても、その時間の間隔を十分に取る方が歯は守られやすくなります。菌類が糖質を材料に酸を作ったとしても、お口の中に出てくる唾液には、その酸を和らげてくれる働き(中和作用)があるのです。さらには、酸が歯を溶かし始めたとしても、それが分子的レベルの範囲内の変化であれば、微細に補修してくれる働き(再石灰化作用)もあります。ただし、この2つの働きは、時間を掛けて行われます。このため、間食の回数が1日に3回以上であったり、ダラダラと食べていたりすると、その時間が取れず唾液の助けが得られないことになってしまうのです。

     短時間のお昼は別として、夜のお休み直前にでも何か食べることが多いという習慣があれば、就眠中は長時間にわたって唾液の分泌が少ないので、その助けが得られず、歯は危なくなります。
     唾液が歯を守ってくれる自然のシステムを活用するような食生活習慣が基本であり、その上で、歯ブラシで防げるむし歯もあるかもしれないので、歯みがき作業もやっておいて損はない、ということになります。

    フッ素塗布について

    フッ素利用を研究している先生方によれば、フッ素はエナメル質を強化する、歯の再石灰化を促進する、むし歯菌の活動を抑制する、という3つの作用によって、むし歯予防に役立つ、とされています。誰でもフッ素を利用するべきであると、推奨されることもあるようです。
     しかし一方では、医師や歯科医師の中には、フッ素の使用は慎重にすべきである、とする先生もいます。薬物的な物質は、大なり小なり副作用もあるのだから、使用に際しては慎重にするべきである、ということなのでしょう。
     一方が正解で他方が間違い、という判定は今でも下っていません。賛否両論あるのが現状です。
     では、普通の市民生活では、どうなのでしょうか。「初めにフッ素ありき」ではなく、まずその子どもの歯科診察があってから、使うかどうか考えても遅くはないでしょう。それには、歯科医院で診ていただくことや、保健センターでの「2歳児・歯科健康相談」を利用する、などの方法があります。
     その診察結果が良かった場合は、対応が2通り考えられます。一つは、今日までの結果が良好なら、さらに効果があるとされる方法を重ねておきたいので、フッ素塗布を受けたい、という考え方です。もう一つは、結果が良好であるなら、なにも薬物的な物質を使わなくても良い、とする考え方です。どちらの考え方も否定されるものではありません。
     診察の結果、既にむし歯がある、またはハイリスク状態であるという判定なら、効果があるとされる方法を一つでも多く取り入れたい、ということになるので歯科医院で相談してみてください。

    指しゃぶりについて

     妊娠期の超音波による検査で、胎児はお母さんのお腹で指を口に入れていることが分かっていますし、出生後も0歳から2歳くらいまでの時期は、指をしゃぶることによって、寂しい時や不安な時に精神を安定させ、退屈な時にそれを紛らわせている、と言われています。
     指しゃぶりをしている子どもの多くは、放っておいても3歳ぐらいまでにやめてしまうことが多いようです。ただ、指しゃぶりの時に歯にかかる力がいつも強かったり、1日のうちでしゃぶっている時間が長かったりすると、歯の並び(角度や位置関係)に影響が出る場合があります。しかし、1歳後半で指しゃぶりをしているからといって、必ず影響が出ると決まっている訳ではありません。
     2歳くらいで止まれば、それ以降は唇の内側が歯に触っていて弱いながらも力が毎日かかることと、アゴの骨の自然な成長・拡大と相まって、歯の位置関係は自然な状態に変わっていくことが考えられます。
     また、4歳くらいまでに指しゃぶりが止まれば、その後に生えてくる大人の歯への影響は少ないと言われています。

    対策について

     それでもただ様子を見ているだけでなく対応策を考えてみましょう。ただし、電気のスイッチのように、これをするとピタッと止めるという妙案は無いようです。かつて言われていた指にカラシなどの刺激物を塗るという方法は、かえって逆効果になることもあるようで、今はそれを勧める人はいません。指しゃぶりの大きな要素である心理的な原因とは無関係の方法だったからでしょう。
     考え方として、1日のうちでしゃぶっている時間を短くしていこうとするのが良いようです。子どもは、時期の早い・遅いの個人差はあっても、次第に手の動きが巧みになっていき、周りの物に興味を持って、色々な物で遊べるようになります。中には両手を同時に使う遊びもあるでしょう。すると、指がお口に行く時間が短くなってきて、良い方向に向かうことが期待できます。保護者の方には、そういう遊びを見つけてあげたり、手伝ってあげたりして、「指離れ」が早くなるのを促進して頂きたいのです。
     また、外遊びをするように手伝ってあげると、昼間に身体が疲れて、夜に布団に入ってから寝入るまでの時間が短くなり、布団の中で指をしゃぶっている時間が短くなることが期待できます。
     やっていない時に褒めてあげて、本人に自信を持たせることも、心理的に「指離れ」を早めるかもしれません。
     4歳後半になって、それでも止められず、歯並びや発音に影響が出ているほどであれば、小児歯科や矯正歯科の先生に診てもらいましょう。

    お問い合わせ

    東大阪市役所 健康部 保健所
    東保健センター    電話: 072(982)2603 ファクス: 072(986)2135
    中保健センター    電話: 072(965)6411 ファクス: 072(966)6527
    西保健センター    電話: 06(6788)0085 ファクス: 06(6788)2916
    母子保健・感染症課  電話: 072(970)5820 ファクス: 072(970)5821