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あしあと

    歯科医師からのメッセージ(1歳1か月)

    • [公開日:2018年2月23日]
    • [更新日:2021年10月22日]
    • ID:21900

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    1歳から3歳のお子さんをもつあなたへ

    1歳1か月のころ

    現状

     1回目のお誕生過ぎの頃に、既にむし歯を作っているという子どもは、今の時代、ほとんど見かけなくなっています。しかし、2歳、3歳にむし歯を作る子どもになるかどうかの分岐点は、1歳の時期にあると言えます。

    考え方

     子どものむし歯対策として、歯ブラシの習慣付けも行っていて損はないのですが、最も大きな要素は、お父さん・お母さんや同居の大人の関わりが深い、子どもの食生活習慣に在るのです。これが形成されていく初めの段階が、1歳前半の頃でしょう。

    食に関する学習

     子どもにとって離乳終了後の時期は、さまざまな味、口触り、香りのモノを食べることが大切です。それらの食経験が積み重なって、食べ物からの刺激が脳に伝わり、記憶されていくからです。
     美味しいと感じる感覚は、生まれながら持っている嗜好をベースに、その後の経験によって作られていくことから、「慣れ」の部分も大きいと言われています。
     さまざまな硬さや粘り気などの口触りに慣れていくことは、受け入れられる食べ物の幅が広がることにつながり、噛むことの学習にもなるのです。

    自然な甘味は大切です

     沢山の種類の食べ物の中で、甘い物は誰でも何の学習をしなくても、好きになりやすいのですが、それは甘さがエネルギーになりやすく、活動の源(みなもと)を身体に供給するという仕組みになっているからです。
     しかし、甘さについては、その濃度が問題であって、濃い甘味を好きにしないことが大切です。生まれて間もない赤ちゃんは、母乳やミルクが大好きですが、それには乳糖(砂糖の1年5月くらいの甘さ)が約7%含まれていて、ほのかな甘味になっています。果物にも甘味はあるものの、甘過ぎるということはありません。

    甘味に関する注意点

     ところが、人間によって手を加えられた食品の中には、よく売れるようにということなのか、不必要に多量の砂糖が加えられたモノもあります。年齢の低い時期に、これが回数多く与えられると将来、身体に問題が多くなるような味覚の持ち主になることが心配されます。
     こういうことに仲間入りしないためにも、離乳後の食材の選び方に注意しましょう。

    歯科診察の実際

     身体の中でも歯は、その影響が早くから出やすい部位で、保健センターでの1歳6か月児健診でも、既にむし歯を持つ子どもや、その予備群のハイリスク状態の子どもを診ることがあります。
     むし歯予防と言うと、歯ブラシが一番大切とされてきましたが、実際、上記の健診に出務して、問診票(歯の仕上げみがきの回数を含む保護者の事前記入)を読んで、歯の診察してみると、今までの固定観念では説明できない場合も多いのです。
     仕上げみがきが「時々」や「していない」のお答えでも、診察結果が「むし歯なし&歯の清潔感も良好」という子どもが珍しくありません。逆に、仕上げみがきが「毎食後」や「就寝前」のお答えなのに、診察してみると、歯の表面には「歯垢(しこう)が多い」というケースもあります。
     歯ブラシ作業の前に、歯の表面に歯垢が作られやすい食生活習慣になっているのではないか、ということが問われているようです。

    注意点は2つ

    (1・内容) 子どものお口に入る食べ物・飲み物は、どういうモノが多いのか、という点です。砂糖を含むモノが多ければ、お口に普通に存在する細菌類が、歯を溶かす酸や不溶性の粘着物質を沢山作ることになります。
    (2・飲食の回数) 同じものを食べる・飲むにしても、間食の回数が3回以上やダラダラ食いになっていないか、という点です。酸が作られても、自然に出てくる唾液には、酸を和らげてくれる働き(中和作用)や、酸が歯の表面を溶かしかかっても、それが分子的レベルの範囲内の変化であれば、微細に補修してくれる働き(再石灰化作用)があり、歯を守ろうとしてくれます。ただし、これにはそれなりの時間が必要なので、一回の飲食から次の飲食までの、時間間隔を十分に取りたいのです。

    歯ブラシは?

     歯ブラシで防げるむし歯もあるかも知れないので、やっておいて損はありません。しかし、食習慣そっちのけで、歯ブラシ単一重点主義に傾き過ぎると、泣き叫ぶ子ども本人は辛くて、抑えつけて無理やり実行しようとする保護者は心が痛んだ上に、肝心の結果は良くない、という場合も見受けられるようです。

     歯ブラシで今を守ろう、ということよりも、将来の自分の健康習慣として身に付けていってもらうためのスタートというのが、実際のところでしょう。(本人が泣いて抵抗しているような状況では、仕上げみがきも歯垢を落せるほどの作業には、なっていない場合が多いのです。)
     ゆっくりでも、習慣として身に付けてあげてください。

    お問い合わせ

    東大阪市役所 健康部 保健所
    東保健センター    電話: 072(982)2603 ファクス: 072(986)2135
    中保健センター    電話: 072(965)6411 ファクス: 072(966)6527
    西保健センター    電話: 06(6788)0085 ファクス: 06(6788)2916
    母子保健・感染症課  電話: 072(970)5820 ファクス: 072(970)5821