保健師からのメッセージ(生後1か月未満)
0歳の赤ちゃんをもつあなたへ
生後0か月のころの赤ちゃん
ご出産おめでとうございます。
この世に新しく誕生した我が子のために妊娠中の母体管理から、とても大変だった出産を乗り越えられたママ!!本当にお疲れ様でした。
そして、まだ分娩の傷が癒えぬまま赤ちゃんとの生活がスタートしていますね。
今までは自分のリズムで生活できていましたが、これからは赤ちゃんが中心の生活に変わります。生まれてから生後1か月までの赤ちゃんは新生児とよび、ママの細やかなケアが必要な時期になります。そのため昼夜関係なしの慌しい生活になりますが、ママのケアで日々成長していきます。
赤ちゃんの成長を見守りながらママもがんばり過ぎない育児ができるように、自分に優しくしてあげてくださいね。
-赤ちゃんの栄養-
赤ちゃんの胃は小さいため一度に多くの母乳を飲むことができません。そのため、母乳の場合は赤ちゃんが欲しがる度に与えてください。
ミルクの場合は3時間毎に与えてあげてください。消化管が未熟なため与えすぎると負担がかかってしまいます。飲みムラはあると思いますが、お熱がなく機嫌が良い時は様子をみてあげてください。
溢乳(いつにゅう)といって胃の容量を超えた場合、「おなかがいっぱいだよ」と言えない赤ちゃんは、吐いて自分の量を調整します。また、形が筒状のため吐き戻しやすいのも特徴です。
噴水のように吐いたりしない場合はお家で様子をみてあげてください。
噴水用の嘔吐や半日~1日全く飲まずにぐったりしているなどの状況がある場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
-赤ちゃんの排泄-
ママからもらった栄養を体に取り込み、吸収したあと排泄をします。
授乳回数が多いこの時期うんちはおおよそ3~5回、おしっこは10~15回くらいします。排泄には個人差がありますが、この時期に1日1回のうんちやおしっこが無い場合、栄養が足りていないことがあります。排泄は赤ちゃんの健康状態を確認するバロメーターでもあるので、オムツ替えのときは必ずチェックしてあげてくださいね。
また、うんちの色から病気を発見できることもあります。母子健康手帳のなかに便色チェックカードがありますので、ぜひ活用してください。うんちの色が白から灰色の場合、うんちは捨てずに小児科に持っていき、先生に診てもらいましょう。
母乳栄養の場合は、うんちの回数が多くなることがあります。そうするとおしりがかぶれて赤くなる場合があります。綺麗に拭き取り、ワセリンなどを塗ると治る場合もありますが、ただれが酷く皮膚がめくれてしまっている場合は小児科で診てもらいましょう。
-赤ちゃんの睡眠-
生まれたばかりの赤ちゃんは朝起きて夜に寝るという大人のリズムではありません。大体2~3時間おきの睡眠サイクルです。ですが睡眠も個人差があります。よく寝る子、寝ない子、すぐに起きる子など。
よく寝る子はママにとっても休息の時間になるのですが、授乳間隔があきすぎると発育不良の原因になる可能性があります。この時期は寝ていてもなるべく2~3時間おきに起こし、授乳をしてあげてください。また大切なことはリズムができていなくても朝には部屋を明るくし夜は電気を消してあげることです。赤ちゃんは睡眠中に成長ホルモンが分泌されます。寝ているときの環境は安心して眠れるように整えてあげてください。環境調整をすることで睡眠のリズムをつくる大切な時期になります。
-赤ちゃんのお風呂-
1か月健診までは沐浴を行います。季節によって若干温度の変化はありますが、基本的には室温24±2℃ 水温は36~38℃、沐浴時間は5分程度でしてあげてください。
首がすわっていないため首から頭、おしりの部位を両手でしっかり支えてあげてください。洗い残しが多い部分は腋の下や、足の付け根、陰部などの皮膚が重なっている部分です。ゴシゴシ洗うのではなく、濡らしたガーゼで洗い拭きしてあげてください。へその緒が付いていますが、乾燥して自然に取れるため無理やり引っ張ったりしないようにしてくださいね。お風呂あがりには1日1回、消毒液をつけた綿棒で消毒をしてあげてください。取れたあと乾燥するまでは消毒を続けてあげてください。
-ママの生活-
赤ちゃんのケアについて説明を沢山したのですが、ママの体と心のケアもとても大事です。この時期にがんばりすぎると子宮や分娩時の傷の回復が遅れ、悪露が長引くこともあります。また、1日何回も授乳することで乳頭が傷ついたり、乳腺炎を起こすこともあります。細切れ睡眠で寝不足にもなります。赤ちゃんはとても可愛いいのですが、ママにとっては赤ちゃんのケアをしながらママのケアをすることは簡単なことではありません。眠れるときに寝て、食べるときに食べ、話したいときは話したり気分転換をはかりましょう。少しずつでもママの体や心を休ませてあげてください。
―マタニティブルーと産後うつー
産後3~5日を中心に10日ごろまでに気分が優れなくなり、何もないのにイライラしたり、涙が出たり、不安や怒りなど感情の不安定さがでる場合があります。その後自然に改善するものをマタニティブルーといいます。産後はホルモンが大きく変動するために起きるといわれています。誰にでもおきることなので、一人で抱え込ます、身近な人や医療機関、保健センターへ相談してください。
産後うつは産後1か月を超えても上記のような抑うつ状態の改善がみられない、もしくは2週間以上症状が続く、日常生活に支障がでる、自分や他者を傷つけたくなるなどの状態がある場合は医療機関の受診が必要かもしれません。なかなか自分では気づくことができない場合が多いので、家族や支援者、また医療機関からママの様子がおかしいのではと言われたときや自分で感じたときはすぐに保健センターや医療機関に相談してください。ママの産後の健診については、産後2週間頃と1か月に受診票を利用して受診してください。
育児はママ一人でがんばらないでください。「ねばならない育児」や「育児本通りの育児」なんてあり得ません。ママも赤ちゃんのそれぞれ個性があります。ママはできることをしてできないことは周りを頼ってください。ご家族や友人のサポートももちろんですが、お住まいの地域には担当の保健師がいます。ママと赤ちゃんの生活をサポートさせてもらいたいと思っています。いつでもどんなことでも良いのでご相談ください。
お問い合わせ
東大阪市役所 健康部 保健所東保健センター 電話: 072(982)2603 ファクス: 072(986)2135
中保健センター 電話: 072(965)6411 ファクス: 072(966)6527
西保健センター 電話: 06(6788)0085 ファクス: 06(6788)2916
母子保健・感染症課 電話: 072(970)5820 ファクス: 072(970)5821