地産地消について
地球温暖化と「地産地消」との関係
「地産地消」は地球温暖化対策につながる
「地産地消」とは、「地元で生産されたものを地元で消費する」という意味です。
日本は、食糧の多くの部分を世界中からの輸入に頼っています。大量の食糧を長距離にわたり輸送するためには、船や飛行機等で輸入することになりますが、その過程で使用されるエネルギーによって温室効果ガスが排出されます。そして、輸送距離が遠ければ遠いほど使用されるエネルギーが多くなり、温室効果ガスの排出量も増加します。そのため地域内でできた農産物をその地域内で消費することは、輸送に伴うエネルギーの消費を抑え、その過程で発生する温室効果ガスも少なくなることから、地球温暖化対策にもつながります。また、輸入に限らず、国内産であっても農産物が日本各地に日々輸送されています。そのため、国内でもより近くの地域で栽培された農産物を消費することでより地球温暖化対策につながります。
東大阪市では、国内における農作物の輸送によって、秋田県から農産物を輸送した場合と東大阪市で生産した農産物の温室効果ガス排出量を以下のように試算しました。
【結果】
・2tトラックに積荷積載量2tの場合、輸送に伴い片道243kgのCO₂が発生
(1)お米茶碗1杯(65g)⇒約8g-CO₂が発生
(2)白菜1個あたり⇒約313g-CO₂が発生
(3)キャベツ1個あたり⇒187g-CO₂が発生
2tトラックの輸送に伴う二酸化炭素排出量243kg-CO₂は、杉の木の二酸化炭素吸収量(※)で換算すると、トラック1台につき、約17本分に相当
※ 50年生杉が1年間1本あたり平均14kg の二酸化炭素を吸収するとして算定
【試算詳細】
(前提条件)
輸送距離:940km(秋田県から東大阪市まで輸送距離)
輸送手段:2tロングトラック(ディーゼルエンジン)
燃費:軽油10km/ℓ
(国土交通省が定めた測定方法で算出した2tトラックの燃費値は10.6~12.8km)
積載容量:2t、箱詰めの場合はみかん箱130箱程度が限界と仮定
軽油排出係数:2.58 kg-CO₂/ℓ(走行に際し軽油1ℓあたりのCO₂の排出量)
(基本)
〇2tトラックに積荷積載量2tの場合、輸送に伴い片道243kgのCO₂が発生
(計算式)
・軽油使用量: 940km÷10km/ℓ=94ℓ
・CO2排出量: 94ℓ×2.58 kg-CO₂/ℓ=約243kg-CO₂
(個別ケース)
(1)お米茶碗1杯(65g)⇒約8g-CO₂
・1袋10kg⇒約1.22kg-CO₂
(10kgの米袋200袋輸送すると、輸送量は2tとなり、10kgあたりのCO₂排出量は約243kg-CO₂÷2000kg×10kg=約1.22kg-CO₂)
・お茶碗一杯分の計算式 約1.22kg-CO₂÷10000g×65g=約0.008kg-CO₂
(2)白菜1個あたり⇒約313g-CO₂
・10kgあたり⇒約1.25kg-CO₂
(1箱6個入りで130箱輸送(1個2.5kg)すると、輸送量は1.95tとなり、10kgあたりのCO₂排出量は約243kg-CO₂÷1950kg×10kg=約1.25kg-CO₂)
・白菜1個の計算式 約1.25kg-CO₂÷10kg×2.5kg=約0.313kg-CO₂
(3)キャベツ1個あたり⇒187g-CO₂
・10kgあたり⇒約1.56kg-CO₂
(1箱10個入りで130箱輸送(1個1.2kg)すると、輸送量は1.56tとなり、10kgあたりのCO₂排出量は約243kg-CO₂÷1560kg×10kg=約1.56kg-CO₂)
・春キャベツ1個の計算式 約1.56kg-CO₂÷10kg×1.2kg=約0.187kg-CO₂
お米茶碗1杯・白菜1個・キャベツ1個でも遠くから輸送すると温室効果ガスを排出しています。一方で、地元で作った農作物は、長距離の輸送に伴う温室効果ガスの排出はありません。このことから地産地消は地球温暖化対策につながります。
また、ハウス栽培では暖房に燃料を使い、たくさんのエネルギーが必要です。農産物を旬の時期に消費することは、温室効果ガスの排出量を減らすことができ、地球温暖化対策にもつながります。農作物を購入する際は、地元産で旬のものを選んで、環境に負荷の少ないエコライフを実践していただければと思います。