平成25年9月3日 生駒山にひと足早い秋の気配 ヒトモトススキが穂をつける
生駒山ろくにある日下新池のほとりで、市が天然記念物に指定している「ヒトモトススキ」が茶褐色の穂をつけ、平地よりひと足早い秋の風情を漂わせています。
ヒトモトススキはイネ科に属するススキとは異なり、カヤツリグサ科の植物で、一株の根元からたくさんの茎を伸ばし、無数の実をつける穂先がススキに似ていることからこの名が付けられました。 また、葉の縁が鋭くイノシシも切るという例えから別名をシシキリガヤともいいます。
本来ヒトモトススキは海岸に近い湿地に生育するもので、こうした山中に群生するのは珍しく、約3,000年前、大阪湾が生駒山ろくまで迫っていたことを裏付ける貴重な残存植物として、昭和49年に市の天然記念物に指定されました。
9月中旬から下旬にかけて穂先の小さな実がはじけると、生駒山に本格的な秋が訪れます。